最近、英検の資格を取得しているにもかかわらず、英文法に苦手意識を抱える受験生が増加しています。大学入試で英検が有利であるという認識が広がる一方、文法力の基礎がしっかりと固まっていない生徒が多いことが課題となっています。本記事では、この現象の背景、具体的な問題点、そして文法力を強化するための効果的な学習方法を紹介し、当塾の指導方針とその結果についても触れていきます。
1. 英検取得が重視される現代の入試事情
近年、大学入試において英検の資格が評価される場面が増えており、特に私立大学や共通テストでの優位性が注目されています。これにより、多くの受験生が英検取得に注力し、特に高校2年生の後半や3年生になる前に準2級や2級を取得することを目標としています。しかし、英検の対策に偏りすぎてしまい、文法学習が疎かになるケースが目立つようになってきました。
【当塾の英検取得の目標】
当塾では、英検取得を高校2年生の3学期、もしくは遅くとも高校3年生の1学期までに目標級の取得を完了することを推奨しています。これにより、高校3年生では共通テストや難関私大の入試対策に十分な時間を割くことができ、文法力も含めた総合的な英語力を伸ばすことが可能です。このような計画的な学習によって、当塾の生徒は高い合格率を維持しています。
多くの受験生は、高校3年生で英検取得を挑戦し始めますが、英検の学習と大学受験の学習は大きく異なりますし、入試までの受験対策が疎かになります。
2. 英検と大学入試で異なる文法の重要性
英検では文法問題も出題されますが、その難易度や出題形式は大学入試とは異なります。英検は学力の到達度を測るための試験であり、大学入試のように応用力や引っかけ問題を意図して出題することはありません。そのため、英検で高得点を取った生徒でも、入試レベルの文法力が不足していることがよく見られます。
【違いのポイント】
- 英検は学習段階の到達度を測る試験:英検は、学習者の現時点での能力を確認するためのものであり、入試のように合格者数を制限する目的ではありません。したがって、文法問題も比較的平易なものが多く、引っかけ問題も少ないのが特徴です。
- 大学入試は文法力の応用が必要:一方で、大学入試では文法力の基礎だけでなく、文章の文脈に応じて文法を正確に理解し、応用できる能力が求められます。このため、英検に合格していても、大学入試に必要な文法力を持っていない受験生が増えています。
3. 文法学習の「覚える」と「理解する」のバランス
多くの受験生は、文法を「覚える」ことに偏りすぎてしまい、「理解する」段階を十分に経ていないケースが増えています。例えば、問題集の解法を暗記することに依存しすぎてしまうと、少しでも形式が異なる問題に対しては対応できなくなることがよくあります。これでは、特に応用力が求められる入試問題や英作文で大きな壁にぶつかることになります。
【覚えることの限界】
- 暗記に頼る学習法の問題点:暗記中心の学習では、出題形式が少し変わるだけで対応できなくなることが多いです。特に、文法の本質的な理解が伴っていない場合、同じパターンでしか問題に対応できなくなります。
- 応用力を求められる場面に弱い:文法を暗記するだけでは、特に英作文や和文英訳のような自由度の高い問題に対応できません。文法を理解し、応用する力を養うことが必要です。
4. 効果的な文法学習法
文法を「覚える」だけでなく、「理解する」ことが必要です。このための具体的な学習方法を2つご紹介します。
① 授業や教材を最大限に活用する
文法を深く理解するためには、授業や教材を最大限に活用することが欠かせません。特に、学校や塾、予備校の授業をしっかりと受け、文法事項を丁寧に学ぶことが重要です。
- 学校や塾の授業を活用:文法の基礎をしっかり固めるために、授業で学ぶ内容をしっかり理解しましょう。どの授業を受けるにしても、重要なのは「理解を深める姿勢」です。自分に合ったペースで進めることができるオンライン教材も活用して、確実に理解を深めていきましょう。
- オンライン学習も活用可能:スタディサプリのような映像授業を活用すれば、自分のペースで文法を学ぶことができます。時間の制約がある場合でも、しっかりと文法の理解を深めるために役立ちます。
② 調べる習慣をつける
文法を学ぶ際、問題を解いて分からなかった部分は、その場で必ず調べることが重要です。こうした「調べる」習慣をつけることで、文法事項をより深く理解し、自分のものにすることができます。
- 問題を解いたらすぐに振り返る:問題を解いている中で、文法的に曖昧な部分があれば、すぐに参考書や文法書を使って調べるようにしましょう。これにより、文法の理解が深まり、応用力が身につきます。
- 分厚い文法書を活用する:基本的な問題集だけではなく、「ロイヤル英文法」などの詳細な文法書を使って、分からない点を調べる習慣を身につけましょう。調べること自体が、文法の体系的な理解を助けます。
5. 文法を応用できる力を育てる
英文法を単に覚えるだけでなく、応用できる力を育てることが大切です。特に、英作文や長文読解では、文法を使いこなす力が求められます。当塾では、こうした文法力の応用に重点を置いた指導を行い、難関私立大学や共通テストに対応できる英語力を育てています。
【応用力を高める】
- 英作文での文法ミスを防ぐ:文法をしっかり理解していれば、英作文や和文英訳でもミスを防ぐことができます。特に大学入試では、文法ミスが大きく減点につながるため、文法力を確実に身につけることが重要です。
- 文法を長文読解に生かす:長文読解では、文法的な構造を正確に把握することが不可欠です。文法力を応用できるようにすることで、長文問題でも正確な理解ができるようになります。
結論:文法力を強化して合格をつかむ
英検取得が注目される中で、文法力の重要性が見落とされがちですが、大学入試で成功するためには、文法を理解し応用できる力が不可欠です。当塾では、英検の取得を高校2年生3学期、遅くとも高校3年生1学期までに完了させ、その後は文法を含む総合的な入試対策に力を入れています。このように計画的に学習を進めることで、高い合格率を実
現しています。
英語の基礎である文法をしっかりと理解し、応用できる力を育て、確かな受験対策を行いましょう。